特許検索のメモ
特許庁のデータベースを使って、公開されている特許申請書の内容を
検索するとときの備忘録的メモ。(04/06/28, 06/10/24更新 秋田純一)
大きく分けると、「テキスト検索」と「コード検索」がある。
テキスト検索
特許の内容を
特許庁のテキスト検索で調べることもできる。
ただし平成5年以降のものしか調べられない。
また似ているけど違う用語(たとえば「インタフェース」と「インターフェース」)
が使われていると、このテキスト検索では見落とすことがある。
そこで、
- テキスト検索で、ざっと探してみる
- その後、テキスト検索であまり見つからなかったら、次のコード検索を
試みる。
という手順で探すのが現実的。
コード検索
特許庁は、出願される特許の内容をすべて読んで、、内容に応じて
コードをつけている。
このコードを使って検索すれば、テキスト検索での問題点
(平成5年以前が検索できない、似ている単語を見落とす、など)を
避けられるので確実。(ただし慣れるまでちょっと面倒)
コードの種類
コードには4種類ある(が、後述のようにテーマコードとFタームだけでも十分使える)
- IPCコード (International Patent Classification)
= 国際特許分類。特許の内容をあらわす「B06/R21/16」のような記号。
ただしふつうに検索するときにはあまり使わない。5年ごとに改定される。
- FI (FileIndex)
= IPCコードを日本の特許庁が独自に拡張したもので、IPCコード(第4版)の
上位互換。ただしこれもふつうに検索するときにはあまり使わない
(ような気がする)。
- テーマコード
= 特許のおおまかな分類を示す記号。
(例: 「半導体集積回路」は5F038)
- Fターム
= 特許の内容を具体的にあらわすコードで、
「テーマコード」ごとにつく記号。
(例: 「半導体集積回路」の5F038の中で、
「キャパシタの構造」はAC01、「レイアウト」はCA00)
現実的には、
- 探そうとしているモノのテーマコードとFタームを検索する
- そのテーマコードとFタームを使って検索する
という手順が現実的(のような気がする)。
なおこれらのコードは、すべて特許庁の審査官が、
申請された特許の内容を読んで割り振っている。
実際の検索の手順(例)
IPLD(特許庁の電子図書館)のトップーページ
から、
FI・Fターム検索
へ進む。
ここで入力するのは以下の項目。
- [必要] 「テーマ」欄: 検索したいテーマコード。
- [必要] 「条件」欄: 検索したいFターム(やFI)。
- [必要に応じて] 「資料型」欄: 特許や実用新案などから探す範囲を指定できる
- [必要に応じて] 「公知日」欄: 特許の公知日の探す範囲を指定できる
-
ここで「テーマコード」と「Fターム」を探すには、
この画面内の右下の
「パテントマップガイダンス」ボタンを押すと
別ウインドウが現れる。
この中の「キーワード検索」で検索できる。
ただしFタームを使って検索するときは、
右の「照会画面」で探す範囲として
「○Fタームリスト」を選んでおく。
例えばここで「集積回路」をキーワードにして「Fターム」を探すと
96件見つかる。
これをみると、例えば
「5F038 半導体集積回路」というテーマコードが出てくるので、
これをクリックすると、
このテーマコード内のFタームが、どっと出てくる。
例えばこんなかんじ。
- AC00 : 「キャパシタ」
- AC01 : 「・構造」
- AC02 : 「・・電極領域又は電極部分」
- AC03 : 「・・・半導体領域,拡散領域,不純物など」
- AC04 : 「・・・平面形状,分割電極など」
- AC05 : 「・・・多結晶電極,金属電極」
- AC06 : 「・・PN分離、素子分離、寄生容量」
- ...
-
この調子で、探したい特許に関連のありそうなFIやFタームを拾っていき、
さっきの検索ページから検索する。
対象が多すぎるときは、徐々にFIやFタームを増やしていって
検索範囲を絞っていく。
(FIやFタームの頭についているドット(・)の意味は以下を参照)
ドット表記
IPCやFI、Fタームの頭に、上記の例のように「・」がいくつか
ついていることがある。
これはドット表記と呼ばれるもので、
キーワードの階層構造をあらわす。
例えば上記の例では、
「AC01 ・構造」は1個のドットがつくので、
その直前のドットが1個少ない「AC01 キャパシタ」の
下位につく、つまりAC01は「キャパシタの構造」のこと。
さらに「AC02 ・・電極領域又は電極部分」は
ドットが2個なので、ドットが1個の「AC01 ・構造」の下位につき、
結果として「キャパシタの構造で、電極領域や電極部分に関するもの」
という意味になる。
下のほうの「AC06 ・・PN分離、素子分離、寄生容量」は
再びドットが2個なので、直前のドットが1個のもの、
つまり「AC01 : ・構造」の下位につき、
「キャパシタの構造のうち、PN分離、素子分離、寄生容量に関するもの」
という意味になる。
図で描いたほうがわかりやすいかも。
AC00 キャパシタ
+---AC01 ・構造
| +---AC02 ・・電極領域又は電極部分
| | +---AC03 ・・・半導体領域,拡散領域,不純物など
| | +---AC04 ・・・平面形状,分割電極など
| | +---AC05 ・・・多結晶電極,金属電極
| +---AC06 ・・PN分離、素子分離、寄生容量
|
...
ただしキーワードとしてのFIやFタームは、
上位層は含めない。
つまり「AC02」を検索に使うときは、
その上位のAC01, AC00は検索対象に書かなくてもよい。
(というか書いてはいけない)
※「キャパシタの構造で、電極領域や電極部分に関するもの」である
特許には、AC02がFタームとしてついているが、
その上位であるAC01やAC00はついていないため、検索にひっかからない。
akita@is.t.kanazawa-u.ac.jp