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2010年04月05日

就職活動における学校推薦という制度

そういえば自分が学生だったころは、学科から企業ごとに学校推薦枠というのがあって(だいたい1社あたり2名まで)、それをとるまでが勝負(成績や話し合いやジャンケンなど)で、それをとってしまえば、ほとんど素通りで内定をもえらえていたような覚えがある。
これは、学生を送り出す学校と、学生を受け入れる企業の双方に信頼関係があったから、だろうか。
つまり、学校側としても、責任を持って推薦できる学生だけを推薦し、企業のほうも、学校が推薦してくる学生ならば大丈夫だ、という認識があったのだろう。

それが、いまや、学校推薦をもらっていても、他社との併願はあたりまえ、つまり、学校推薦という制度自体が形骸化している。

これは、学校、企業、そして何より学生自身にとって、不幸なことなのではないだろうか。
昨今の、何かおかしい就職活動、という話の一部は、ここに原因があるような気がしてならない。

一部私大では、昔から、なりふりかまわない就職活動支援というのがあるらしいが、確かに学校の経営上、高い就職率を確保したいという意図は理解できるが、もしかして、こういう方向性が一線を超えてしまったととが、一連の信頼関係が崩壊していく一因になったんだろうか。

投稿者 akita : 2010年04月05日 15:44

コメント

学校推薦と密接に関連しているのが指定校制度です.
1990年前後のバブル期までは,指定校の推薦を受けた学生が入社試験で落ちるということは,ほとんど聞いたことがありませんでした.

ところが,バブル期以降に,指定校の学生が面接で落ちるということがおき始めたようですよ.

これには様々な理由があるようです.一つには企業が求める人材像というのが明確になってきて,それに合わない学生は,学校推薦を受けていても不採用となったこと.また,指定校で学校推薦を受けている学生に就職に関する覚悟が足りなかったということ.せっかく学校推薦をもらっているのに,入社時の一般常識の試験でとんでもない点数をとる学生がいるとか.他にもいろいろあるのでしょう.

そういう時期があって,それからは学校推薦の企業側での受け止め方も変化していったようです.ですから,学生側も,学校推薦をもらっても安心していられないという事情があるのではないかと思います.

とにかく昔とは状況がだいぶ変わっていますよね.終身雇用制度もほとんどなくなってきていますしね.企業側は,学校が推薦してくれるからということで黙って採用するわけにはいかないんだと思います.

推薦の意義を復活させるためには,本当に推薦できる学生以外には推薦を出さないようにしないと:−)

投稿者 おおさわえいいち : 2010年04月05日 18:01

なるほど。そういう経緯もあったのですね。(ちょうど私が就職活動時期(B3〜4)のころのお話のようなのですが、不勉強でした・・・)
学校、企業の双方の事情が変わってきているんですね。

一概に、昔がいい、とか、昔が悪い、ということはいえないのでしょうが、それにしてもいまの「企業も学生も、数で勝負」というようにしか見えない状況は、双方にとって、あまり好ましくないとは思うのですが・・・

投稿者 akita : 2010年04月05日 21:03

> 〜それにしてもいまの「企業も学生も、数で勝負」というようにしか見えない状況〜

数打って、あたったところに入るという状況は確かに起こっているようですね。ネットマイルの調査では2010年度の採用内定者がある会社に入社を決めた理由は「就職活動を終わらせたかった」が27.8%でトップだったそうです。
http://research.netmile.co.jp/voluntary/2010/pdf/201003_4.pdf

僕は、会社という組織がどうも健全に回っていないように思えてなりません。適切な社員教育ができるのなら、それに対応できるだけの素養があれば人材としてはOKなんですよね。それが出来ない、あるいは自分のところでやりたくない(カネかかるし)から、大学や社会にその機能を押し付けていることが、いろいろおかしいんじゃないかなぁ。大学も、その機能/役割がカネに振り回され、倫理がゆがんできていますよね。カネの無駄遣いをしろと主張する訳ではありませんが、そのへんはきちんと切り離していかないと、人間として全然豊かじゃない、(すでにそうなのかもしれませんが)つまらない社会が待っているような気がします。

投稿者 まつむら : 2010年04月05日 22:15

6年ほど前にとある企業の常務が、大学でつまらん勉強してないでウチに早く来なさい、しっかり社員教育してやる、と言っていたのを聞いたことがあります。そんなこというなら中卒だけを採れ、と言いたい気持ちもありますが、人材教育をしている、という意味では、立派なことなんだと思います。
大学の教育が云々、という話もあることはあるので、我々大学の教員も、肝に銘じておくべき話ではあります。かといって、大学に就職予備校的な機能を求められるのも何かが違う。大学とは学問を学ぶ場所のはず。法人化のころから大学に対して求められるものが悪いように変わってきているのは事実のように思いますね。学問はお金・経営効率では測れない。

投稿者 akita : 2010年04月06日 07:42

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