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2010年05月18日

テクノ工作

大人の科学Vol.27「テクノ工作セット」を一通りつくってみた。
たしかにArduino/Japaninoは、電子工作(テクノ工作)への敷居を下げているが、
センサやアクチュエータの物理的実体がみえにくくなっている。たぶこれは意図的なもので、隠蔽するからこそ取り組みやすくなる、という面は、確かにある。
物理的実体が隠蔽されたテクノ工作の経験は、センサ類を「使って、何かを作る」ところに注力できる、というメリットは確かに大きい。

それ(既存のシールド)にないセンサ類は、物理的実体をふまえたうえで、それ(シールド)にあわせないといけないわけだが、そのためには、古典的な電子工作の知識・経験が必要になる。
例えばLEDをつなぐにしても、電源電圧がわかっていないと電流制限抵抗を決められないし、温度センサをつなぐにしても、使う温度センサの温度-出力電圧特性がわかっていないと、得られた値を理解することはできない。

テクノ工作での「面白い!」という体験・モチベーションが、物理的実体を伴うホンモノの電子工作へとどれぐらい向いていくか、は、個人的には非常に興味がある。つまり、テクノ工作が、ホンモノの電子工作へのとかっかりとしてどの程度有効か?ということ。

仮にそのような有効性があまりないのであれば、これまでにも何回もあった、電子工作に対する一過性のブームで終わってしまいそうな気がする。
もちろんそうなってほしくはないけど。

例えばAKI-H8やSunhayatoのマイコンボード、秋月のPICは、マイコンというものがまったく知られていなかった世界に、マイコンというものの存在を広めた。(特にロボコンなどの高校生などがメインだったように思えるが)
しかし、今回のArduino/Japanenoのような広がりを出し切れなかったのは、なぜか?そこはやはり、AKI-H8のころは、「こんな使い方もできるのだ」というレシピを示す料理人が、十分ではなかったのか?

今回のテクノ工作を仕掛けている人たちは、何か方策があるのだろうか?
このあたりの今後の展開について、例えばSWITCH SCIENCEさんの戦略を聞いてみたい気もする。
期待してますよ。

投稿者 akita : 2010年05月18日 06:10

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