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2010年08月13日
人間の感覚の補完能力
ほぼすべての情報技術は、表現のqualityを高めるために、サンプリングレートと量子化ビット数を上げるように進化してきた。
つまり時間方向と振幅方向で、連続量である元信号からの量子化誤差を減らそう、ということだ。
例えばオーディオだとCDの44.1kHz/16bitから、DATなどだと96kHzとか24bitとか、ある。
映像信号も然り。
ただ、オーディオマニアは、よくいくらサンプリングレートや量子化ビット数をあげても、「ナマ」の音とは違う、という。昔はオーディオマニアの妄想なのかと思っていたが、実はけっこう大切なことなのかもしれない、と最近思えてきた。
むしろ、サンプリングレートがある程度低いと、人間は、その間を、経験や欲望などに基づいて補完して、happyに感じることがある、という気もするが、そういうことはないだろうか。
たとえば、小説から場面を妄想する、とか。
いわば妄想の効能。
定量化するのが難しそうだが、メディアの進化の方向性として、こういう可能性は、ないのだろうか?
投稿者 akita : 2010年08月13日 15:01
コメント
「ナマ」の音とは違う、というのは、
音そのものは同じでも、「ナマ」で音を聴く場合と家とで音響環境が違うからそう感じるのでは、と思うのですが、
さすがにそんな単純なことではないのかしら^^;
もしくは聴覚では捉えられない超音波を、肌で感じ取ったり…できるのかなぁ…。
映像は残像効果や錯視を利用してますし、
人間の知覚や思い込み、錯覚をもっと利用できたら便利そうですね。
投稿者 mmb : 2010年08月13日 21:53
無沙汰しております。
錯覚。。そういえば熱いのと冷たいのを同時に感じると神経が「痛い」と錯覚するというのをどこかで体験した気がします。どこだったっけ??
話を戻して、とりあえず臨場感という意味でなら、昔からバイノーラル録音なんてものがありますよね。
有名なやつでこんなのがあります。(ヘッドフォンで聞いてください)
http://www.youtube.com/v/wT1XuB95qMk&color1=0xb1b1b1&color2=0xd0d0d0&hl=ja_JP&feature=player_embedded&fs=1
コレのドライヤーのあたりが面白いですよ。耳に風を感じます。…とするとドライヤーでいつも感じていたのは音なのか皮膚感覚なのか?錯覚なのか?感覚が補っているのか?いろいろ考えさせられます。
(生の音と再生側の問題と録音側の問題について長々書いたのですが、アホらしくなって消しました。話題はそこじゃなかった…)
追伸:最近、音の入出力関係に配置転換されました。
投稿者 Eya : 2010年08月14日 01:16
mmbさん、Eyaさん、コメントありがとうございます。
お二人があげられているのは、いずれも、音響環境の話で、私が言おうとしていたものとは独立の話だと思います。それはそれで大切な話なのですが、私の根源的な疑問は、「究極にリアルなCGは、写真になるか?」ということなのです。
投稿者 akita : 2010年08月14日 08:59
(たぶん)同じようなことを考えていました。
たとえば、小説を読んでいて、その世界を読者が(妄想で)作り出すとすれば、それは究極のVRなのではないかと。もちろんリアルではないけれど、読者にとってはまさにリアルなわけで。テレビなどは小説に比べて情報量は多いですが、妄想の余地をなくしてしまう分、視聴者にとってのリアリティを低減させてしまうような気がします。小説が、物語の中に透明人間として入れるとしたら、テレビはあくまで上からの視点でみているだけというか。
技術の進化によって、「失われたもの」が多くあるような気がします。それを取り戻す必要があるのか?必要があるとすればどうしたらいいのか?それを考えることが私のひとつのおおきな興味のひとつです。
投稿者 マツムラ : 2010年08月18日 12:21
網膜への光学的な刺激値が同等になるという意味では,
「究極にリアルなCGは、写真になるか?」の問いへの回答はYESです.
ですが,実世界で見ているものと同じものを提示できるメディアが近い将来実現するかというと,NOです.
投稿者 宮田 : 2010年08月23日 12:50
マツムラさん、宮田先生、コメントありがとうございます。
マツムラさんのご指摘は、以前Tweetされていたときに、非常に同感したものです。
宮田先生の、前者のYESは、納得できるのですが、後者のNOを、納得できるような気はしつつも、確信できるまでの自信がありません。確信されている根拠があれば、もう少し詳しく教えていただけませんでしょうか。
投稿者 akita : 2010年08月24日 16:25
一番の問題が,ディスプレイ装置のダイナミックレンジの狭さだと思っています.
ディスプレイの輝度をいくらあげても,実世界で感じる「まぶしさ」は現状では表現できていませんし,近い将来でも実現は難しいのではないかと思っています.
(レーザディスプレイで実現できるのかも)
もっと深刻なのは暗部の表現です.現状では,基盤の黒さでしか表現できていません.
HDRI(High-Dynamic Range Image)ディスプレイがいくつか製品化されていますが,まだまだ足りておりません.
空間解像度に関しては,解決できそうには思います.
投稿者 宮田 : 2010年08月25日 14:13
宮田先生、コメントありがとうございます。
なるほど。輝度のダイナミックレンジですか。
以前JAISTにおられた宮原先生が、同じようなことをおっしゃっていたのを思い出します。
投稿者 akita : 2010年08月27日 08:06